エリック・アンダーセンといえば、もう「Blue River」しかありません。その感動で、その前に出しているフォークアルバムを買ったり、その後に出た新しいアルバムを買ったりで、だらだらアルバム数が増えていった感じです。
アメリカでも日本でも言葉は違っても、「旅に出て大人になる」ということが言われます。「かわいい子には旅をさせよ」とか、ケルアックの「On the road」とか。ロックだろうがフォークだろうが、そのような曲は星の数ほどあります。しかし、ブルー・リバーは「もうさすらいたくない」と歌っていることに驚きました。「I Don't Wanna Stray Too Far」というフレーズです。あの時代の流れだったのかどうかはわかりませんが、ザバンドの音楽に漂う土着の志向がここにも影響があったのだと思います。カントリーロックが流行ったり、ナッシュビル、メンフィスのスタジオが使われたりというのも、時代のパラダイムだったのでしょうか?
ブルーリバーは曲の良さもさることながら、アコーディオンとジョニ・ミッチェルのバックコーラスとケン・バットレーのドラムとが決めているといっても過言でないでしょう。
この曲には、ナッシュビルのミュージシャンがバックを務めているのせいなのか、農本主義、土着というイメージがどうしてもします。バルビゾン派の絵画のようなイメージがする。農夫が一日の仕事を終え、川で鍬を洗う。夕日が沈む中、お祈りを捧げ家路に向かって夕餉……なんてね。
この曲には、ナッシュビルのミュージシャンがバックを務めているのせいなのか、農本主義、土着というイメージがどうしてもします。バルビゾン派の絵画のようなイメージがする。農夫が一日の仕事を終え、川で鍬を洗う。夕日が沈む中、お祈りを捧げ家路に向かって夕餉……なんてね。
ロックミュージックにとっては、これも紋切り型なのだが、どちらかといえば「旅、さすらい」のイメージが強い。その中で「さすらいより土着、旅より定住」という、いわばかっこ悪い概念を持ち込んだのは、ザ・バンドだろう。でも考えればおもしろい。バンドは50年代終わり頃から10年に渡ってロードを繰り返していた。そして、初めて自分たちのオリジナルアルバムをつくり始めてからは、土着なのだった。
話はずれましたが、エリック・アンダーセンはグリニッジビレッジのフォーク時代からですから、この人も長い。
レコード・CD合わせて15枚。