バンドを知ったのは、やはりディランからでした。
「ディランのバックバンドはすごいそうだ」といううわさから。バンド自体が長いキャリアを持ち、彼らがすばらしい音楽をつくっているということは最初は知らなかった。なんせ「Music from Big Pink」が1968年ですから、その渋さが中学生には伝わらず、まして少ない小遣いからザ・バンドにはまわらなかった。購入したのは73年大学で東京に来てから。
「The Band」「Stage Fright」「Music from Big Pink」「Cahoots」と買っていった記憶がある。風采のあがらなそうなおっさん5人が紡ぎ出す、スルメのように噛めば噛むほど味が出るような音楽は、他にないワン&オンリーなものでした。何度聴いてもあきない。渋いことがかっこいいという感覚も初めて味わいました。早川義夫の「かっこいいことはなんてかっこ悪いんだろう」の意味がわかったような気がしました(その逆もね)。
若いとき、仲間とよく音楽のことで議論したりしましたが、そのときの中にこんな結論がありました。ロックの歴史で、60年代の終わりは69年のオルタモントであり(70年のビートルズの解散という説もあり)、70年代の終わりは76年のラストワルツ(ちょっと早いけど。また、パンクの出現という説もあり)というものです。ラストワルツから30年も過ぎたなんて、当たり前なんですが、長い時間がたちました。5人のうち2人も死んじゃったしね。でも70年代は、終わらない人には終わらない?!
2000年頃のボーナストラック付きリマスター盤が発表されたときは、別な驚きがありました。ボーナストラックもさることながら、デジタルリマスターの音の良さに感動しました。レコードの(CDでなく)音が温かくて良いという保守派だったのですが、「目からウロコ」でした。以来レコード、CDそれぞれにあまり固執しなくなりました。どちらもそれぞれに良さがあるんじゃないかな。
レコード、CD(そうとうダブっていますが)合わせて34枚。